フリーランスで時給3000円は高い?安い?
必要経費や健康保険・年金・税金などの支払いを考えると、フリーランスとして時給3000円は、どちらかというと安いです。
職種や案件、フリーランスの手腕にもよるので、時給3000円が高いのか安いのか、一概には言えません。
「高い」と思うか「安い」と思うかは、人それぞれの基準・価値観・収支状況・扶養家族の有無などによっても異なります。
フリーランスエージェントに紹介してもらう案件の場合
時給3000円の案件は、職種によって比較的安い~平均的な単価と言えます。
特に、実務経験1年~3年程度のWebフリーランスの場合は、時間単価(時給)3000円前後の案件が多い傾向にあります(スキルや職種、エージェント、案件による)。
その後、スキル・言語、実績、経験年数によって、時間単価を伸ばしていけますが、最初は時給3000円前後からのスタートとなる方が多いです。
エンジニアの場合はもっと高いです(スキル・言語や経験、案件による)。
スキル・経験・実力次第ですが、フリーランスエージェントに紹介してもらう案件で、時間単価5000円~1万円を稼ぐ人も割といます。
自力で営業・集客の仕組み、自分のビジネスを構築できている場合
ブログ・SNS・クラウドソーシングサービスの活用、リアルでの人脈・口コミ・紹介などによって、自力で営業・集客できているフリーランスの場合は、1時間当たりの稼ぎが3000円だと安いと思います。
というのは、フリーランスエージェントに案件を紹介してもらう場合に比べて、営業・集客のための時間・労力・コスト・リスクが大きいからです。
エンジニア、Webデザイナーなど比較的案件が多い職種の場合は、まずはエージェントに案件を紹介してもらい、時給3000円~5000円前後の案件で毎月数十万円の固定収入を確保すると、非常に楽になります。
そうして生まれるお金の余裕・時間の余裕・心の余裕をもとに、自分のビジネス構築や集客の仕組みづくりを引き続きコツコツ進めていく方向性がおすすめです。
そうすることで、1時間当たり5000円以上稼ぐことも非常に現実的になります。
自分のビジネス構築や集客の仕組みづくりができていくと、1時間当たり1万円~数万円稼げる人もいます。
自営業者全体で見ると少数派には違いないですが、ものすごく珍しい訳ではなく、やり方次第で十分可能です。
本業フリーランスの年収分布から見ると
内閣官房日本経済再生総合事務局『フリーランス実態調査結果』における本業フリーランスの年収データを見ると、年収300万円未満の人が過半数で、年収1000万円以上の人は4%となっています。
この調査結果での「年収」とは、「売上高から必要な経費等を差し引いた所得の額であり、社会保険料及び税を差し引く前の額」です。
このデータに基づくと、本業フリーランス全体の中では、時給3000円フリーランスはどちらかというと高い方と見ることもできます(稼働日数や経費率による)。
フリーランスエージェントからの案件で固定収入を確保しつつも、その収入だけで安心せず、長期的な視野で自分のビジネス構築や集客の仕組みづくりをコツコツ進めていくことがおすすめです。
そうすると、比較的安全かつ安定的に収入を増やしながら、長期的に安泰で、余裕のあるフリーランス生活を続けていけます。
時給3000円フリーランスの職種
だいたいどのWeb系職種でも時給3000円前後の案件はある
「Webデザイナー」をはじめとして、大抵どのWeb系職種でも、時間単価(時給)3000円前後の案件は平均的で比較的多いです。
「エンジニア・プログラマー」の場合はもっと高単価な案件が多いですが、言語や実務経験年数によっては、時間単価3000円台からのスタートとなる方もいます。
「ディレクター」「マーケター」などの案件は「エンジニア」に比べると少ない
どの職種でも時給3000円の案件が比較的多いとは言え、「ディレクター」「マーケター」「プロジェクトマネージャー」「プロデューサー」などの案件は、そもそもの案件数が「エンジニア・プログラマー」に比べるとあまり多くないです(エージェントによる)。
また、案件が割と豊富だとしても、それらの職種はかなり高度で豊富な経験・実績・実力が求められる場合が多いです。
求められるものが高く責任も大きい分、時給3000円よりもはるかに単価が高い場合もよく見かけます。
Web系フリーランスとして、時給5000円~1万円、あるいはそれ以上稼いでいる方も少なくありません(少数派には違いないです)。
スキルと経験のあるエンジニアなら、時給5000円の案件はざらにあります。
どんな職種であれ、スキル・知識・能力を高め磨き続けながら、経験・実績を積み重ねていくことが大切です。
フリーランスとして、長期的にお金を稼げる実力を磨いていけるかどうかは、自分次第です。
時給3000円フリーランスの税金・手残り金額シミュレーション
個人事業主が経費計上できるもの・勘定科目の例
- 地代家賃(家事按分)
- 水道光熱費(家事按分)
- 旅費交通費
- 通信費
- 広告宣伝費
- 支払手数料
- 新聞図書費
- 外注工賃
- 租税公課
- 諸会費
- 減価償却費
- 打合会議費
- 接待交際費
- 消耗品費
- 雑費
個人事業主が支払う税金の種類
ほぼ誰でも納付義務がある税金
- 所得税および復興特別所得税
- 住民税
売上・所得金額や不動産・車の有無により納付義務が生じる税金
- 個人事業税(事業収入ー必要経費=事業所得290万円以下の場合は生じない、課税対象の業種に含まれない場合も納付義務は生じない)
- 消費税(原則、課税売上1000万円を超えると納付義務が生じる)
- 固定資産税(家事按分)
- 自動車税(家事按分)
個人事業主の健康保険・年金
- 国民健康保険税
- 国民年金保険料(2022年2月現在 月額16,610円)
時給3000円・週3日(月12日)稼働のWebフリーランスの場合
時給3000円×8時間×月12日=月収28.8万円(+消費税分2.88万円=月収31.68万円)
月収28.8万円×12ヵ月=年収345.6万円(+消費税分34.56万円=年収380.16万円)
※簡略化のため、消費税分については度外視します。
経費 月14.4万円×12ヵ月=年間172.8万円(経費率50%)
※家賃・水道光熱費(半分程度)、そのほか通信費・交通費・書籍代・交際費・消耗品費・雑費など経費として計上できるものをすべて計上するとします。
事業に関係するものなら、できる限り経費として計上した方が課税される所得金額が減り、税金が減ります。
ただしここでは念のため、最大でも経費率50%程度にとどめる場合を考えます。
年収に対して極端に経費が多すぎると、税務署から「節税ではなく脱税」を疑われる可能性があります。
経費率が高すぎると、場合によっては税務調査が入ることもあり得ます。
このくらいの売上高ですと、事業の運営・成長のために本当に必要なお金を使った結果、経費率が50%をはるかに超えてしまったり、赤字になってしまったとしても、決して間違いとは言えません。
それで税務調査が入るという可能性も考えにくいですし、仮に税務調査が入っても本当に必要な経費だったのであれば、誠意を持って説明・対応すれば大きな問題はありません(最終的なご判断は、ご自身の責任においてお願いいたします)。
【白色申告】独身・単身の方の概算(配偶者控除・扶養控除なし)
白色申告なら、
所得税 64,000円
住民税 135,000円
国民健康保険 169,000円
国民年金保険 199,320円(2022年2月現在の月額16,610円で計算)
あくまで概算ですが、
年収 345万円
経費 ▲173万円
税金・保険 ▲57万円
手残り 115万円
※半分ほど経費計上した「家賃・水道光熱費」の残りの半分をこの手残りから差し引いた金額は、貯蓄や積立投資、その他経費計上できない支出に回せることになります。
あくまで概算なので、目安として参考程度にしていただけましたら幸いです。
※独身・単身の方の概算ですが、配偶者や扶養家族がいる場合には、控除される金額が大きくなり、税金はもっと減ります。
【青色申告】独身・単身の方の概算(配偶者控除・扶養控除なし)
青色申告なら、課税される所得金額から青色申告特別控除として最大65万円差し引かれるので、さらに税金が安くなります。
白色申告に比べて、事前の届出や帳簿付けに少し手間がかかります。
所得税 31,000円
住民税 70,000円
国民健康保険 108,000円
国民年金保険 199,320円(2022年2月現在の月額16,610円で計算)
あくまで概算ですが、
年収 345万円
経費 ▲173万円
税金・保険 ▲41万円
手残り 131万円
※半分ほど経費計上した「家賃・水道光熱費」の残りの半分をこの手残りから差し引いた金額は、貯蓄や積立投資、その他経費計上できない支出に回せることになります。
あくまで概算なので、目安として参考程度にしていただけましたら幸いです。
※独身・単身の方の概算ですが、配偶者や扶養家族がいる場合には、控除される金額が大きくなり、税金はもっと減ります。
時給3000円・週5日(月20日)稼働のフリーランスエンジニアの場合
時給3000円×8時間×月20日=月収48万円(+消費税分4.8万円=月収52.8万円)
月収48万円×12ヵ月=年収576万円(+消費税分57.6万円=年収633.6万円)
※簡略化のため、消費税分については度外視します。
経費 月24万円×12ヵ月=年間288万円(経費率50%)
※家賃・水道光熱費(半分程度)、そのほか通信費・交通費・書籍代・交際費・消耗品費・雑費など経費として計上できるものをすべて計上するとします。
事業に関係するものなら、できる限り経費として計上した方が課税される所得金額が減り、税金が減ります。
【白色申告】独身・単身の概算(配偶者控除・扶養控除なし)
白色申告なら、
所得税 145,000円
住民税 250,000円
国民健康保険 276,000円
国民年金保険 199,320円(2022年2月現在の月額16,610円で計算)
あくまで概算ですが、
年収 576万円
経費 ▲288万円
税金・保険 ▲87万円
手残り 201万円
※半分ほど経費計上した「家賃・水道光熱費」の残りの半分をこの手残りから差し引いた金額は、貯蓄や積立投資、その他経費計上できない支出に回せることになります。
あくまで概算なので、目安として参考程度にしていただけましたら幸いです。
※独身・単身の方の概算ですが、配偶者や扶養家族がいる場合には、控除される金額が大きくなり、税金はもっと減ります。
【青色申告】独身・単身の概算(配偶者控除・扶養控除なし)
青色申告なら、課税される所得金額から青色申告特別控除として最大65万円差し引かれるので、さらに税金が安くなります。
白色申告に比べて、事前の届出や帳簿付けに少し手間がかかります。
所得税 89,000円
住民税 185,000円
国民健康保険 216,000円
国民年金保険 199,320円(2022年2月現在の月額16,610円で計算)
あくまで概算ですが、
年収 576万円
経費 ▲288万円
税金・保険 ▲69万円
手残り 219万円
※半分ほど経費計上した「家賃・水道光熱費」の残りの半分をこの手残りから差し引いた金額は、貯蓄や積立投資、その他経費計上できない支出に回せることになります。
あくまで概算なので、目安として参考程度にしていただけましたら幸いです。
※独身・単身の方の概算ですが、配偶者や扶養家族がいる場合には、控除される金額が大きくなり、税金はもっと減ります。
時給3000円のフリーランス案件を探すなら
フリーランスエージェントに案件を紹介してもらうことがおすすめです。
実務経験1年以上のWebフリーランス・Web系専門職の方なら、時間単価(時給)3000円前後の案件は平均的で比較的多いです。
まずは、
- フリーランスエージェントに案件を紹介してもらって、毎月数十万円の固定収入を確保する
- スキルアップや学習、集客の仕組み作りや自分のビジネス構築を日々コツコツ進めていく
ことが無理なく・現実的・低リスクでおすすめです。
そうすることで、比較的安全かつ安定的に収入を増やしながら、余裕のあるフリーランス生活を続けていけます。