5-5. 価格設定を行い、投資価値(ROI)を明確化する

高単価でも売れる属人性の高いコンセプトを作るうえで価格設定はとても重要です。「なぜその価格になるのか?」という根拠や、価格に見合う投資価値(ROI)を示せないまま高額商品を提示しても、見込み客が納得しにくいもの。本記事では、価格設定を行いながら投資価値を明確にするためのポイント・手順・実践的なワークを紹介します。


1. なぜ“投資価値(ROI)”を示す必要があるのか

高単価商品の場合、見込み客は「この金額を払って、リターンが期待できるか?」を冷静に考えます。具体的なROI(Return on Investment)をイメージできれば、高額でも購入に踏み切りやすくなるのです。

1-1. 高価格の正当性を支える

  • 「他社の何倍もの価格だけれど、◯◯の成果が期待できるならアリ」と思わせるためには、数値や実例が必要
  • 金銭的リターンだけでなく、時間短縮精神的ストレスの減少などもROIの一部になる

1-2. 安心感を与える

  • 価格に対する不安が強いと、いくら興味を持ってもらえても購買は躊躇されがち
  • 数字でROIを示すことで、投資するリスクが軽減されるように感じ、「それならやってみよう」と思いやすい

2. 価格設定を行う手順

ここでは、高単価商品における価格設定の基本ステップを解説します。必ずしも「市場価格に合わせる」だけが正解ではなく、あなたの属人性提供価値を踏まえて決定することが重要です。

2-1. 提供価値の洗い出し

  1. これまでのステップ(自己強み、ターゲット悩み、目新しさ、信頼性)で整理した要素を振り返る
  2. サービス内容(講座の期間、サポート回数、教材の有無など)をリストアップし、どのくらいの成果が期待できるか考える

2-2. 「市場価格」+「自分の上乗せ価値」を考慮

  • 市場価格(同ジャンルの他社や類似商品)をざっくり把握し、その平均レンジを確認
  • 自分のオリジナル要素(独自ノウハウ、追加サポート、再現性の高さなど)を上乗せして高単価化を目指す
  • 単に安い/高いではなく、「ここが他社と違う」を意識しながら妥当性を検討

2-3. コスト・リソースも視野に入れる

  • 工数: 何時間のサポート、何度の個別コンサルが含まれるか
  • 専門性: 特別な資格や長年の経験、周囲に真似できない手法が価値を上げる
  • 運営コスト: 受講生を増やした時のサポート体制、ツール費用なども検討

3. 投資価値(ROI)を明確化する方法

価格が高いほど「お金を払っただけのリターンがあるのか?」と見込み客は考えます。そこで、下記の視点からROIを示していくと効果的です。

3-1. 金銭的ROI

  • 売上アップコスト削減短期間での利益回収を数値で提示
  • 例)「1年以内に売上が◯万円増える可能性が高い → 受講料を回収できる」
  • 一括と分割のシミュレーションなどもあると、支払いへの抵抗が下がる

3-2. 時間的ROI

  • 業務効率化ノウハウの短期習得によって、結果的に時間を節約できる
  • 「これまで◯時間かかっていた作業が◯割減る」「3か月で通常の1年分のスキルを習得できる」など

3-3. 感情的ROI

  • ストレス減少自信がつく人間関係がラクになるなど、精神的メリットを示す
  • 「不安や悩みから解放される」「やりたいことに集中できる」なども高い価値になる

3-4. 社会的ROI

  • 「立場が向上」「認知度が高まる」「専門家としての信用が得られる」など、周囲に与える影響まで示す
  • 特にBtoB(企業向け)では、社会的信頼やレピュテーションが大きなROIとなり得る

4. 実践ワーク:価格設定&ROIシートを作ろう

以下のシートを作成して、あなたのサービスの価格投資価値を具体的に見える化してみましょう。

4-1. シート項目例

  • 【サービス概要】: 提供期間、サポート回数、教材の種類など
  • 【価格帯】: メイン価格、分割プランがあればその金額も
  • 【金銭的ROI】: 売上アップ額の見込み、コスト削減効果など
  • 【時間的ROI】: 作業時間や学習時間がどれだけ減るか
  • 【感情的ROI】: ストレス減、モチベーションアップ、自信など
  • 【社会的ROI】: 信用度向上、周囲からの評価、将来の広がり

4-2. 書き出す際のコツ

  1. できるだけ数値化: 金額・時間・割合など
  2. 自分や顧客の事例を活用: 実績と結びつけると説得力がアップ
  3. 「どのくらいで回収できるのか?」を提示: 半年〜1年以内に回収し得るシナリオなど

5. まとめ:価格とROIが明確なら高単価でも選ばれやすい

  • 価格は曖昧にせず、“なぜこの金額なのか”を論理的&感情的に示す
  • 金銭的・時間的・感情的・社会的ROIを織り交ぜれば、支払うハードルを大きく下げられる
  • 次のステップでは、この価格とROIを他の要素(属人性、独自性、信頼性など)と掛け合わせて、最終的なコンセプトを仕上げていきます

高単価商品の魅力を十分に伝えるためには、「それだけ払う価値がある」と実感してもらうことが要。価格設定をする際は「ただ高くする」のではなく、今回の手順を踏まえて投資対効果を明確化し、顧客がワクワクしながら払いたくなる状態を目指してください。