5-1. 全体の狙いを把握し、自己の強み・経験を棚卸しする

本記事では、高単価でも売れる「属人性の高いコンセプト」を作るうえで、まずは全体の狙いを理解しながら、自分ならではの強み・経験を棚卸しするステップを解説します。
「なぜ自分がこの商品・サービスを提供するのか?」という説得力を高めるために不可欠な工程であり、この土台がしっかりしていると高価格帯の商品でも「この人から学びたい」「このサービスを受けたい」と思われるようになります。


1. なぜ「属人性」が高単価商品に効くのか?

まずは“属人性”がどのように高単価商品に結びつくのか、そして全体の狙いを把握しておきましょう。

1-1. 属人性が生み出す差別化と説得力

  • 情報が飽和した時代だからこそ、「誰から学ぶか」が差別化要因になる
    ネット検索だけで情報を得られる中、一般的なノウハウだけでは埋没しがちです。そこであなたの体験や視点が武器になります。
  • 人柄やストーリー人生観などが商品価値を高める
    高単価商品ほど「この人だからこそ教えてほしい」という感情が購買を後押しします。あなた特有の背景や哲学が価格以上の価値を感じさせます。
  • 投資する動機を強く引き出す
    「情報」だけなら無料でも手に入る時代。高額でも買う決め手は、理屈だけでなく感情レベルの納得感。あなたの属人性が決め手になり得ます。

1-2. 全体の狙いを把握するメリット

  • 方向性がブレなくなる: 「属人性の強みを活かして高単価コンセプトを作る」という枠組みが明確化し、優先順位をつけやすくなります。
  • モチベーションが高まる: どんな顧客に何を提供し、どの程度の売上アップを目指すかが見えると、自分の経験を棚卸しする意義がはっきりします。
  • 学習ゴールを明確化: 将来的にターゲットの悩みや競合分析とリンクさせやすく、「なぜ自分が提供するのか?」が筋道立てて説明できるようになります。

2. 今回のステップ全体の狙い

  • 「自分の強み・体験」を徹底的に棚卸しし、属人性の核を明確にする
  • 次のステップ(顧客の悩みやベネフィットの定義、競合分析など)とスムーズにつなげる
  • 最終的に「高単価でも納得してもらえる理由」を形作るための土台を固める

まずは「なぜ自分自身の経験が大事なのか」を理解しながら、棚卸しによって“語る資格”独自の視点を見つけていきましょう。


3. 自己の強み・経験を棚卸しする方法・手順

ここでは具体的な手順を紹介します。後のコンセプト設計で活用できるように、できる限り数字やエピソードをつけて整理するのがポイントです。

3-1. 過去の成功体験・失敗体験を書き出す

  1. 成功体験: どんな課題を乗り越え、どんな成果を得たのか?
    例)「大学時代に◯◯の全国大会で優勝」「独立後◯年で月商◯◯万円を達成」
  2. 失敗体験: 大失敗や挫折の中で学んだ教訓は?
    例)「事業アイデアが頓挫したが、その過程で◯◯のノウハウを得た」
  3. 成功だけでなく失敗も、独自のノウハウや共感を生むエピソードの源泉になります。

3-2. 学んできた専門知識・スキルを洗い出す

  1. 資格、講座、独学などをリストアップ
    例)「コーチング資格」「マーケティング関連セミナー受講歴」など
  2. 仕事・趣味で長年磨いたスキルも含める
    例)「プログラミング◯年」「イラスト描き◯年」
  3. 数字や具体エピソードを足しておくと、後で商品づくりに再利用しやすい

3-3. 人生で最も多くの時間・お金を費やしてきた分野を探る

  1. 「趣味・留学・独立準備」など、熱量を注いだ対象を思い返す
  2. 最もエネルギーを費やした領域は、濃い経験値がある可能性大
    そこがビジネス上の強みや独自性に繋がることも多い。

3-4. 「自分ならではの視点・価値観」を思い返す

  • 失敗を即教材化するとか、営業トークを一切使わないなど、あなた特有のアプローチを列挙
  • こうした視点こそが、他と差別化できる要素になり得る

3-5. 周囲からの評価や感謝の声を確認

  • 友人、同僚、過去のクライアントなどから「あなたの◯◯が役に立った」という声があれば書き留める
  • 客観的な評価は、自分が気づいていない強みに気づく手がかりになる

4. 実践ワーク:自己棚卸しシートを作成

以下のような項目を見出しにして、A4用紙やスプレッドシートにまとめてみましょう。

  • 【成功体験】
  • 【失敗体験】
  • 【学んだ専門知識・資格】
  • 【一番時間/お金をかけた分野】
  • 【人と違う視点/価値観】
  • 【周囲からの評価/感謝の声】

4-1. 書き出す際のコツ

  1. とにかく数を出す: 小さなエピソードでも遠慮なく列挙
  2. 数字や固有名詞をつける: 「◯年やってきた」「◯◯円かけた」など
  3. 分類を意識: 成功・失敗・学んだ知識…と分けて書くことで後から再配置しやすい

4-2. 優先順位を仮決め

ある程度リストアップできたら、ビジネスに活かせそうなものを見極めます。

  • 「顧客がお金を払ってでも学びたいと思いそうなネタか?」
  • 「自分の強烈な独自性として打ち出せるか?」

5. 「なぜ自分が教える(提供する)のか?」を再確認する

  • 語る資格を言語化
    「自分は大きな苦労を乗り越えてきたからこそ、他人をサポートできる」「この分野で長年成果を出したからノウハウがある」など、明確に言葉で表す
  • 失敗談も武器になる
    苦しかったからこそ得られた視点は、多くの人が共感し、励まされます。成功談だけでなく失敗をどう克服したかが鍵

「自分がなぜこの分野を教えるのか?」を他者に説明できるようになると、“属人性”の説得力がさらに高まります。


6. まとめ・次のステップへの橋渡し

  • この段階で「自分ならではの強み」「人生で特にエネルギーを注いだ領域」がリストアップできればOK
  • 次のステップでは、顧客の悩みやベネフィットの設計、競合分析などと結び付けて“高単価でも売れるコンセプト”を具現化していく

今回の自己棚卸しで洗い出した経験・価値観が、後の工程であなたのオンリーワンを支える基盤になります。「自分は何をやってきて、どんな結果を出し、どのくらい時間やお金を投資してきたのか」を言葉にできる人ほど、高単価商品でも「この人に習いたい」と思われやすくなるのです。
ぜひ時間をかけて振り返り、あなたの“語る資格”を形にしてみてください。